
ギタリスト 渡辺悠也のHP
引っ越しして今まで使っていたケーブルテレビのホームページスペースが使えなくなり、どうしようかな…と悩んでいましたが、この際だから前々から考えてた独自ドメインを取ってみました。
生徒さんからはもうちょっとホームページを工夫した方が良いのではないか?という意見と、これくらいシンプルでぶっきらぼうな方が感じが良い(!?)という両方の意見を頂いていてずっとどうしようかな…と悩み続けているのですが、とりあえず仮復活です。
あるギタリストの演奏会を聞きに行ったところ、他の曲はどれも美しい音と音楽で素晴らしかったんだけど、ブリテンのノクターナルだけは気持ち悪くなって受け付けなかったとかで、ああ、なるほど…
それは確かに分からないでもないです。あの曲は単純にキレイなメロディーとかハーモニーとか見つけ出しにくいですし、(そういう要素はあるし、とても美しい曲だと思いますが)どちらかというと不安や恐怖とかそういう人間の負の感情に焦点を当てた曲だと思います。聞いていて気持ち悪くなったというのは逆にその奏者がこの曲の持ち味を存分に表現したからかもしれませんね。
様々な技巧を凝らした抽象的かつスッキリしない変奏が長々と続き、終末を予感させるようなパッサカリアからテーマへと回帰するこのギター曲は長大かつ難渋で、分かり易い美しさ、格好良さは無いかもしれないですが、素晴らしい演奏に立ち会えたときはこのギターという楽器に出会えて本当に良かったと思える。ギタリストの宝です。
この曲に隠された物語を音に託して伝えられるようなギタリストになりたい、というのが生涯の目標の一つです。という訳で、この生徒さんにもいつかこの曲の魅力が分かって欲しいなと思います。気持ち悪くなったということはある意味で脈が有ると思ってますよ。何も感じなかったと言うよりはずっといい感想です。

で、他に何か気持ち悪くなる曲はあるの?って聞いたらムゾルグスキーの展覧会の絵を挙げてくれました。え〜?これいい曲じゃないですかって聞いたら、
”いや、いい曲なんですけど火の鳥と続けて聞いたら気持ち悪くなる”
そりゃそんだけ重い曲を立て続けに聞いたらこっちも気持ち悪くなるかも知れません。

今日はウエディングのお仕事で、姫路のレストラン サンベルジュメゾンで演奏してきました。
ウエディングの生演奏はピアノやバイオリンが多いのですが、今回は新婦さんのたっての希望という事でクラシックギターでの演奏で式のサポートをさせて頂きました。
手紙の朗読に会わせて演奏時間を縮めたり伸ばしたりと即興的な要素が多かったのですが、詩の朗読との合わせの経験が活きました。
式に参加された皆さんが本当に幸せそうで、その大切な場の一部として最後まで仕事をする事が出来てこちらも嬉しかったです。ギターの音も好評だったようで何よりでした。

演奏曲
メンデルスゾーンとワーグナーの結婚行進曲
ラヴァーズコンチェルト
ノルウェイの森
She
レクイエム
愛の挨拶
正にロマンティックセレクションでした。