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今っ更のポニョ

上映時から1年、DVDが出てからも既に2ヶ月経って時期を外しまくりもいいところなのですが彼女さんが家に持ってきてくれた「崖の上のポニョ」を見ました。


既に国民的の域を軽く超えて世界的に注目されるアニメ界の巨匠「宮崎駿」が4年振りに世に送る作品ということで期待していたのですが、あまりにキャンペーン活動が激しかったので映画を見る前にもうお腹がいっぱいになってしまって劇場に足を運ぶ事は無かったこの作品。結局1年と2ヶ月遅れで見る事になりました。タイミングを外すのはいつもの事なんですけど。


子供が楽しめる様に作った、という宮崎さんの言葉を信じて何も考えずぼーっと見ようとしていたのですが・・・二人一緒に見た感想は一致してました。


「なんじゃこりゃ!?」


CGを取り除いて全て手書きで作り上げたと言う正に心血を注いで作られた狂気のアニメーションの幻想世界、その世界に浸れば浸る程広がるなんとも不思議な違和感。その奇妙なテンションは最後まで解消される事無く、あの有名な主題曲が歌われるエンドロールになるとその違和感はMAXに。


「ぽーにょ、ぽーにょぽにょさかなのこ〜♪」

って
「工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工」

最後にこの歌を聴いた時に子供がギャップを覚えない様に映画を作るんじゃなかったんですかい?
違和感MAXですよ!
ってそういえばもう子供ではなかったか・・・監督には子供の世界が見えてるのかな。


これは・・・一体何が起った?
後から思い返すたびに広がってくるこの居心地の悪さは一体どういう事?
直前に「魔女の宅急便」を見ているだけに、その余りの手触りの違いに呆然とする。


それから誰かこの違和感を上手く説明してくれている人がいないかな、と思ってネット上でレビューを色々と読んでみるとこれ以上無いという形で表現してくれている方がいました。「サルまん」で有名な竹熊健太郎氏です。


宮崎駿のアヴァンギャルドな悪夢



正にそれ!
つげ義春の「ねじ式」の世界でした。


見終わった後の衝撃度といったら劇場版エヴァンゲリオンに匹敵するんじゃないか、いや、でもエヴァンゲリオンはそういう作品だっていう了解が十分にされていたので劇場に見に行くお客さんはある程度の覚悟をして見に行ったはず。まさか「国民のアニメ」宮崎アニメでこの様な狂気の世界が展開されようとは想像してもいませんでした。外れの無いと評判のレストランで美味しい食事を楽しもうと思ったら、出て来たのは見たことも無い素材を使った独創的かつ前衛的なチャレンジメニューだったというこの衝撃。劇場で見なくて良かったのか悪かったのか。


"芸術というものは人の心を揺さぶるもの"


と定義するならこれ以上芸術的な映画も無いと思います。
宮崎アニメの大体の有名作品には目を通してきましたが、過去の作品群と比べてもインパクトという一点に絞れば間違いなくナンバーワンだと感じました。これからの宮崎駿さんの向かう方向にこれまで以上に興味がわいてきます。ただどうしても腑に落ちない事があるとするなら、


「この映画は誰に向けて作ったものなの?」


という一点につきます。
これ劇場に見に行った子供さんはホントにどう思ったんだろ?



P.S

国民のアニメとか書いてましたが、よく考えたらもう「もののけ姫」辺りから表現がぶっ飛んでたなと思いました。あれも相当強烈な表現のオンパレードで他の誰がやったって世の中に認められる事は無かったでしょう。世界中で宮崎駿のみに許された特権だと思いました。
by onkichi-yu-chi | 2009-09-21 10:04 | 雑記

姫路のギタリスト渡辺悠也のblog


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