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阪神のある風景

今日はちょっと大阪まで行く用事があったので山陽電車に乗って新開地まで向かう。途中の駅でカップルでタイガースのユニを着た男女二人組が乗ってきた。そうか、今日は甲子園でデイゲームでもあるんかな。女性の方はお腹がかなり大きくなっていた。もう数ヶ月で子供が生まれるんだろうな。

その子がどんな子になるのかは分からないけど、この世に阪神ファンが一人増えるのはほぼ確実。両親が阪神ファンで胎教がわりに甲子園で「六甲おろし」を聞いて育った子がそうなる以外の選択肢は考えにくい。

もうしばらく電車が進むとおばさんの集団と昨日のスポーツ新聞を持ったおじさんが入ってきて座ってきた。おばさんたちとおじさんの間に面識はなさそうである。おばさんたちは楽しそうにおしゃべりをしていたが、ふと何かの拍子に「アレンパダメやったな。」という話題になる。昨日、関東の某球団が優勝。阪神は二年連続優勝、通称アレンパを逃していた。

すると向かいの席に座った新聞を持ったおじさんが「テルがな…ウンタラカンタラ」と急に向かいのおばさん達に話しかけた。テルとは阪神の選手、佐藤輝明選手のことだと思われる。いきなり見知らぬおじさんに急に話しかけられたおばさん達も何も怯むことなくそのおじさんとの阪神談義に花が咲く。カップルはその様子を微笑ましげに見ている。

阪神という話題で急に見知らぬ人たちが一つになる。異教徒だった私はいたたまれなくなり、そっと席を離れる。

今日初めてみるような景色ではない、おそらくこんな球団は日本中見ても他にないと思う。同じくらい熱心なファンがいるという広島でもこんな光景は見たことがない。というかそもそも電車でユニフォーム姿で乗っている人を広島では見なかった。(20年以上前のことなので今はどうなっているかは分からない。)

彼らにとって甲子園は神社であり、選手は神輿、ファンはその担ぎ手、ユニフォームは法被なんだろう。阪神のある光景は彼らにとって日常であり祭りであり、そのファンの姿勢は阪神が強かろうが弱かろうがずっと変わってないように見える。たとえこの先どんなに野球人気が衰退していったとしても阪神ファンだけはずっと変わらずこの先も存在していく…そんな錯覚さえ覚える。こんな球団他にあるんかな?

そんなことを考えながら電車は新開地に着く。

# by onkichi-yu-chi | 2024-09-30 11:02 | 雑記

マルコ・メローニ バロックギターコンサート_d0077106_11582383.jpg


もう先週のことになりますが、マルコ・メローニのコンサートに行ってきました。いつもマスタークラスを受けに行ってたのですが、残念ながら今年は日程が合わず…いままで一度もちゃんとコンサート聞けてなかったのでコンサートだけは行こうと京都まで出かけてきました。

「おー、久しぶりだね。前はバッハを弾いてくれたよね、その次はダウランドだったか。今回は何を弾くんだい?そうだ息子さんは元気にしてる?」

随分久しぶりにあったのにちゃんと覚えていてくれて嬉しかったです。
コンサートを聴くのは始めてでしたが、やはりマスタークラスを受けていた時と同じような懐の広さ、自由さを感じました。
プログラムは前もって発表されず、その場の雰囲気で次々と決めていったように感じられましたし、即興の達人でもあるのでその曲に合うようにその場で即興的に前奏を演奏していたというのもあるかもしれないですが、それ以上にその場所そして観客に対して”オープン”に向き合っているという感じがとても良かったです。

後半バッハのBWV1006を演奏していたのですが、あれほど大らかにそして気負いなく始まった前奏曲というのは聴いたことがありません。バッハの曲というのは弾く方も聞く方も身構えてしまう部分があるのですが、そういう気負いのようなものが全く感じられませんでした。こういう風にバッハにアプローチ出来たらいいのになと思いました。難しすぎて弾くのを辞めていた前奏曲ですけどまた挑戦してみたくなりました。

打ち上げはマルコとその息子さん樋浦さん夫妻とご一緒に、日仏伊西英の5ヶ国語が飛び交う楽しい場となりました。

「英語は喋らない、フランス語、イタリア語、スペイン語なら喋れる。」

と聞いてそれからスペイン語の勉強を始めてはや8年。たどたどしいながらもスペイン語でマルコと会話ができて嬉しかったです。やっぱり直接喋れるのって良いですね。そして感覚的に自分には英語よりスペイン語の方が合ってる気がする。

Gracias Marco por venir a Japón. Tu concierto fue maravilloso.
¡Hasta la próxima vez!


# by onkichi-yu-chi | 2024-09-23 11:57 | おんきち

秋と汗

今日は打ち合わせに片道一時間ほど自転車を漕いで移動。もう9月だから多少は涼しくなってるかと思ったけど甘かった。ギターに譜面台にとかさばる荷物を持ちながら、しかも途中で道を間違えて余計に2キロくらい走った気がする。着いたら汗ダラダラ。

最近よく「こんな暑い中よく自転車で来れるね。熱中症で倒れないでね?」
という風なことをよく言われる。自分でもそうだろうなと思う。早く涼しくなってほしいのも全くその通り。

でも最近はこうやって暑さの中ダラダラと汗をかきながら水分をガブガブ飲みながら暑い暑い言いながら移動するのもなんだか悪くないなって思うようになってきた。なんでだろう?不思議だ。去年まではただただ不快で、早く夏が終わってほしいって願い続けてたのだけど。

不快には違いないんだけど、汗をかいているとなんだか”生きてる”って感じがあり、生命力が湧いてくるような感じもある。人体って不思議だなあ。
合間に東高のギタマンを見に行く。主力だった3年生がごそっと抜けて人数が減ってしまって見ているとちょっと寂しい。でも人数が少ないなりに、経験が少ないなりに音楽を楽しんでいる感じが伝わってくるのはとてもいい。このままいいチームになってほしい。勿論もうちょっと部員も欲しい。
聞くとそろそろ体育大会で、一年生はアジア体操の練習に追われている様子。まだ続いてたんだなアレ。相変わらず練習はキ

# by onkichi-yu-chi | 2024-09-12 13:38 | 雑記

青い鳥学級の音楽講座

青い鳥学級の音楽講座_d0077106_14064253.jpg


今日は姫路市青い鳥学級の音楽講座

「クラシックギターを味わう」に演奏者として参加してきました。視覚障害を持つ方のためにクラシックギターの魅力を伝えるため、硬軟織り交ぜたプログラムになりました。

魔笛の主題による変奏曲:ソル
ロンド風ガボット:バッハ
前奏曲ロ短調:バリオス
エストレリータ:ポンセ
前奏曲第一番:ヴィラロボス

禁じられた遊びのテーマ:作者不詳
ディア・ハンターよりカバティーナ:マイヤーズ
ひまわりより愛のテーマ:マンシーニ
虹の彼方に(武満編):アーレン

ロンドンデリーの歌(武満編):アイルランド民謡
キャロランズウエルカム:オキャロラン
女将との口論:オキャロラン
オレンジログ:アイルランド民謡

アルハンブラの想い出:タレガ
サパテアード:デラマーサ

写真は点字で書かれたプログラムとプロフィールです。もちろん自分は点字は読めないのですが、目の前に座った方がすーっと指を走らせてまるで目で見ているかのようにスラスラと音読していたのでビックリしました。人間の感覚って本当に計り知れないものがありますね。
皆さんの聴く集中力は素晴らしくて、こちらもスーッと引き込まれるような静寂と間がありました。バリオスのロ短調(大聖堂の一楽章)は今まで1番の演奏が出来たと思います。

お陰様で好評で、こちらもとてもいい時間を過ごせました。ありがとうございました。

# by onkichi-yu-chi | 2024-08-24 14:05 | おんきち

ロンド風ガボットと十戒

バッハの音楽が数字と深く関係していることはよく知られています。最近はyoutubeなどでもバッハと数字の関係を詳しく解説している動画があって、見ているといろいろ勉強になります。


さて最近バッハのBWV1006aのロンド風ガボットを練習していたのですが、楽譜を見ていると実はこの曲も数字と深くつながっているのではないかと思うようになりました。具体的にいうとモーゼの十戒と。以下に仮説を上げていきます。

① 10×10 = 100

ロンド風ガボットの小節数を数えると丁度100になります。10 × 10 = 100なので、この数字は10に深く繋がっています。小節数の内訳を詳しく見ていくと
A(ロンド主題):8
Bパート:8
A:8
Cパート:16
A:8
Dパート:16
A:8
Eパート:20
A:8
の合計100小節です。ロンド主題に挟まれる部分は後半に行くほど長くなっていきますが、見ていて気になるのはEの部分の20小節というところです。それ以外は全て8の倍数になっているのに、なぜこのEパートだけが20小節なのかというのがずっと気になっていたのですが、小節数の合計を100にしようとしていたのなら納得がいきます。

② 十戒だから10回弾く

ロンド風ガボットの構成を見ると
ABACADAEA
のロンド形式になっていて、譜面上ではロンド主題が5回、その間が4個なのですが、最初のAの部分には繰り返しが入っているので実際演奏するとロンド主題を6回、その間を4回なので、ロンドとその間を合計10回演奏していることになります。

③ Gavotteでなく
このBWV1006のパルティータはかなり変わった特徴を持ってます。他の無伴奏バイオリンパルティータの1002と1004はアルマンド、クーラント、サラバンド、ブーレorジーグというバロックの典型的な組曲形式になっていますが(それでも1002では間にそれぞれドゥーブルが入ったり、1004ではシャコンヌという特大の曲が入ったりとそれぞれ特徴的ですが…)この組曲はアルマンド、クーラント、サラバンドは存在せず、壮大なプレリュードから始まり他の組曲ではお目にかからないルール、メヌエットそしてこのロンド風ガボットが入っています。特にこのロンド風ガボットという形式はバッハの曲の中で(私が知っている限り)この組曲にしかありません。なんでただのガボットでなくロンド形式になっているのかずっと疑問だったのですが。
十戒とバッハについて調べているとこんな記事がありました。



『クラヴィーア・ユーブング』第3巻「これぞ聖なる十戒」についての記事です。これもとても興味深いのでお時間がありましたら読んで見てください。

この中で”十戒の「戒」はドイツ語でGebot”というのを見てあっと思いました。ひょっとしてバッハは言葉遊びでGavotteとGebotを引っ掛けた?ガボットのロンドという意味と「戒」を繰り返す(つまり十戒)という二つの意味をタイトルにかけたんじゃないかなと。まあ完全な憶測になりますが。


ここまでも憶測ですが、以下はさらに憶測です。
ひょっとしたら楽曲の内容的にも十戒と関係してたら面白いですね。

十戒の内容は
第1戒「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」
第2戒「あなたは、自分のために、偶像を造ってはならない。」
第3戒「あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。」
第4戒「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。」
第5戒「あなたの父と母を敬え。」
第6戒「殺してはならない。」
第7戒「姦淫してはならない。」
第8戒「盗んではならない。」
第9戒「あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。」
第10戒「あなたの隣人の家を欲しがってはならない。」

第2戒の部分が丁度Aの繰り返しになってるのが面白いですね。「偶像を造ってはならない」が丁度コピー部分になる。それは1回目と同じようには弾いてはいけないという意味か、あるいはどう弾いても同じにはならないという意味なのか。
第5戒に当たる部分はCパート。ロンド主題に挟まれている部分で唯一長調になっている部分です。十戒を見ていると第4戒、第5戒以外は全て「〜するな」という否定形になっています。「あなたの父と母を敬え。」という心温まる部分だけが唯一長調になっているとしたら面白いですね。

全て憶測ですし、バッハの文法に精通していたらもっと色々わかるようになるのかもしれないですが。
こうやって色々と深読みできる余地が多く残されているのがバッハの音楽の魅力

# by onkichi-yu-chi | 2024-08-21 14:07 | おんきち

姫路のギタリスト渡辺悠也のblog


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