2013年 10月 07日 ( 1 )

生徒さんとお話をしていたところ気持ちの悪くなる音楽というワードが出てきました。

あるギタリストの演奏会を聞きに行ったところ、他の曲はどれも美しい音と音楽で素晴らしかったんだけど、ブリテンのノクターナルだけは気持ち悪くなって受け付けなかったとかで、ああ、なるほど…

それは確かに分からないでもないです。あの曲は単純にキレイなメロディーとかハーモニーとか見つけ出しにくいですし、(そういう要素はあるし、とても美しい曲だと思いますが)どちらかというと不安や恐怖とかそういう人間の負の感情に焦点を当てた曲だと思います。聞いていて気持ち悪くなったというのは逆にその奏者がこの曲の持ち味を存分に表現したからかもしれませんね。

様々な技巧を凝らした抽象的かつスッキリしない変奏が長々と続き、終末を予感させるようなパッサカリアからテーマへと回帰するこのギター曲は長大かつ難渋で、分かり易い美しさ、格好良さは無いかもしれないですが、素晴らしい演奏に立ち会えたときはこのギターという楽器に出会えて本当に良かったと思える。ギタリストの宝です。

この曲に隠された物語を音に託して伝えられるようなギタリストになりたい、というのが生涯の目標の一つです。という訳で、この生徒さんにもいつかこの曲の魅力が分かって欲しいなと思います。気持ち悪くなったということはある意味で脈が有ると思ってますよ。何も感じなかったと言うよりはずっといい感想です。

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で、他に何か気持ち悪くなる曲はあるの?って聞いたらムゾルグスキーの展覧会の絵を挙げてくれました。え〜?これいい曲じゃないですかって聞いたら、

”いや、いい曲なんですけど火の鳥と続けて聞いたら気持ち悪くなる” 

そりゃそんだけ重い曲を立て続けに聞いたらこっちも気持ち悪くなるかも知れません。
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by onkichi-yu-chi | 2013-10-07 23:23 | 雑記 | Comments(2)

姫路のギタリスト渡辺悠也のblog


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