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徒然草

先日、姫路のロータリー倶楽部で演奏させて頂く機会があったのですが、その時に1000文字程度でなにかエッセイみたいなものを書いてもらえないかという依頼があったので、簡単なギターの(大雑把過ぎる)歴史みたいなものを纏めてみました。

以下、転載。

「ギターは楽器のチャンピオン!メロディーやハーモニーは勿論、ベースにパーカッションも表現出来る。何より弾きながら歌も口笛も出来るし、ピアノと違って持ち運びも簡単。芝生に寝っ転がって夕日を見ながら演奏出来るんだ。」

これはかの有名なエレキの神様こと寺内タケシ氏の言葉ですがこれ程端的にギターの魅力を語った言葉もないでしょう。そしてこの言葉を裏付ける様に今の世の中にはギター音楽が溢れています。最近のドラマ等のBGMにギターが使われている場面の多い事に驚かされますし、音楽番組でギターの入ってないバンドなんて滅多に見かけません。街を歩けばフォークギターを抱えて歌うミュージシャンの数々。ギターの音を耳にしない日なんてないのではないかと思う今日この頃です。

ギターの起源は古くアラビア半島からスペインに伝来されたリュートがその直接の先祖とされています。リュートはルネサンス、バロック時代に舞曲の伴奏に使われる様になり宮廷音楽の花形となりました。リュートはバロックの終焉と共に一時その役目を終えましたが、リュートから変化していったギターは19世紀の古典期に黄金期を迎えます。この頃のギターは現在のギターに比べて小振りであり、音量も小さいものでした。この時代は優れた演奏家兼作曲家が集っており、彼等の作曲した楽曲は現代でも変らずギター音楽の宝となっています。ただ時代と共にクラシック音楽は長大化、巨大化の道を辿り、音量の小さなギターはクラシックの世界から一時取り残されてしまいました。

19世紀の末期にクラシックギターは名工アントニオ・トーレスの出現により現代のギターとほぼ同じサイズになり、大きなコンサートホールでも通用する音量と表現力を獲得しました。後にクラシックギターはスペインの巨匠アンドレス・セゴビアの尽力により再びクラシックの表舞台へと立つ事になります。一方トーレスとほぼ同時期にアメリカでマーティンがスティール弦を用いたアコースティックギターの作製を開始します。アコースティックギターはポピュラーミュージックと強力に結びつき、後に製造されるエレキギターと共にあっという間に世界中に浸透していきます。

振り返って見ると現代に通じるギターの基礎が確立されたのはおよそ100年前。そしてこの短い時間で世界中に浸透し、様々なジャンルが確立され、多彩なギターヒーロー達が観客を沸かせています。改めてギターの柔軟性と懐の深さに驚かされます。

同じ弦楽器属のバイオリンは誕生した時から現在と同じ形をしていたとのことですが、ギターは誕生した時から絶えず変化を繰り返し、そして現代になってもその変化は留まる所を知りません。今日もまた新たなジャンルと共に新たなギターが産声を上げているのかもしれないのです。

交通網と情報網の整備により世界との距離が縮まり、音楽のジャンルの壁も次第に取り除かれている現代。ギターは様々な境界線を繋ぐツールとして新たな黄金時代を迎えているのかもしれません。



1000文字って短過ぎる・・詳しい人が見れば色々と突っ込みたくなることもあると思います。ご容赦下さい。ギターは昔から庶民の友達だったと勝手に思ってましたが、普及してきたのは意外と最近なのかなと改めて思ったりしました。こうやって纏めてみると頭が整頓されていいですね。

参考サイト様:ギターの歴史
by onkichi-yu-chi | 2009-03-09 15:31 | 雑記

姫路のギタリスト渡辺悠也のblog


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