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魔法のバイオリン

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夜はようやく過ごしやすくなって来た。虫の声が心地よいです。いちばん過ごしやすい季節は秋と冬の境目だけど、しばらくは厳しい残暑に耐えないとそこまで行き着けないのです。後少しの辛抱。


先日、大阪の千里で行われたil Violino Magicoのコンサートに行ってきました。il Violino Magicoはバロックバイオリンの伊左治道生さんとヴィオラ・ダ・ガンバの大西万喜さんのデュオですが、そこに今回はバロックリュートの佐野健二さんがサポートに入ってます。ちなみに佐野さんは通奏低音の師匠です。

会場は千里阪急ホテル内クリスタルチャペル。石造りで天井も高く音響もこの規模のコンサートには最適。コンサート前にはステージ後方に置かれた燭台に灯がともされて雰囲気も抜群です。

     〜プログラム〜
ジョバンニ・ヴォナヴェンテゥーラ・ヴィヴィアーニ
     シンフォニア・カンタービレ
ジローラモ・フレスコバルディ
     トッカータとカンツォン
バルトロメオ・デ・セルマ
     シャンソン<スザンナはある日>にもとづくパッセージャータ
     ソプラノとバスのためのカンツォン第一番

休憩

ニコロ・パガニーニ
     チャントーネ・ディ・ソナタ
マウロ・ジュリアーニ
     フォリアの主題に基づく6つの変奏
     ギターとバイオリンのための競奏風二重奏曲


うーん、パガニーニとジュリアーニ以外分からん(笑)、かろうじてフレスコバルディの名前を知っているくらい。しかし演奏は素晴らしかったです。地からわき上がる様なヴィオラ・ダ・ガンバの音に支えられて、空から舞い降りてくる様なバイオリン、リュートの軽やかな音が控えめながらもしっかりとサポートしていました。会場の雰囲気も相俟って中世ヨーロッパにタイムスリップしたような錯覚をうけました。

後半はバロックリュートを19世紀ギターのレプリカに持ち替えてバイオリンとのデュオでパガニーニとジュリアーニ。α波が出っぱなしだったせいかこの辺りで睡魔に教われる(笑)そういえばチラシを落っことした人がいたなあ。この日一番良かったと思ったのは最後のジュリアーニ。大曲のうえにバイオリンとの二重奏曲なので耳にする機会もなく、今回が初めてだったのですがとても面白かった。ジュリアーニの曲の中では一番しっかりと作ってある曲じゃないだろうか。名前の通りギターとバイオリンが協奏曲風にあるときはメロディーにあるときは伴奏にと交互に入れ替わりながら進むのですが、バイオリンの伊佐治さんメロディーはしっとりと歌い、サポートに廻ってもしっかりと支えてくれる。二台の楽器の対話に耳を傾けるうちに時間の長さを感じる事なく最後まで聞かせて頂きました。一番最後はジュリアーニ定番のギタリスト泣かせのフレーズがあったのはご愛嬌。別になくても良かった様な気がするけど、そこがまたジュリアーニらしいというか。

今回のコンサート、どの楽器も非常に脱力した状態で演奏されていたのが印象的でした。力は抜けてるんですが、音はしっかりと飛んでいたし、デュナーミク、アゴーギクもとても分かりやすい。古楽器の特性というのもあるだろうけど、この辺りは勉強する必要があるなとおもいました。演奏会終了後、伊佐治さんと少しお話しする機会があったのですが、とてもチャーミングな方でした。またの機会をお待ちしてます。
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by onkichi-yu-chi | 2007-08-25 01:25 | おんきち

姫路のギタリスト渡辺悠也のblog


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